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痛みを斬る

手術後の夜は、安らかな眠りへ

大きな手術をし、麻酔が覚めた後に、ズキンズキンという激痛が走り、一晩中眠れないというケースをよく見かけます。「これくらいの痛みなんか・・・」と目をつっぶって、必死に我慢する患者さんを「手術したから、痛むのは当たり前です。できるだけ辛抱してください」と主治医や看護師は励まします。ほとんどの患者がこの手術の痛みを避けられないのが現実です。

こんな光景が、今でもどこの病院でも少なからず展開しています。十分な鎮痛処置が行われず、患者はひたすら耐え続け、家族が徹夜で看病している姿は、悲壮感さえ漂うものです。

「痛みを我慢するほど、病気は早く治る」と思っている患者が多いようですが、これはまったくの間違いなのです。医学生たちの中にも「痛みのエネルギーが病気を治す力として働く」と考えている人がいますが、とんでもない話です。

痛みを感じた時に体に起こる防御反応で血圧があがり、心臓の動きが盛んになって脈拍が増え、呼吸も大きくなるなど、体の機能が活発になります。痛みの刺激が傷の周囲の血管を収縮して筋肉を緊張させるため、逆に傷を治りにくくしています。手術後の痛みは、できるだけ除去したほうが、体にも傷にも良いのです。

手術後の痛みが治まらず、そのまま”慢性痛”になると、こんどは痛みそのものが病気になります。精神的にも落ち込み、気がふさいで、自分の中に閉じこもり、対人関係など社会生活に破綻をきたす危険さえあります。

その手術の痛みは、手術した担当医の技術とはまったく関係がありません。手術に参加した麻酔医の腕に関わってくるのです。いかにすばらしい麻酔をかけて手術後の痛みを取るか、というのが麻酔医の仕事です。手術を執刀した外科医には痛みを取る作業はできません。

腕のいい麻酔医に出会えた患者は、手術に入ったときから自分の病室に戻るまで、すべての記憶をなくすことができます。いつ手術が始まったかもわからないし、いつ病室に戻ってきたのかもわからない。もちろん手術時の記憶などありません。患者さんは痛みを全く感じていないのです。
「ああ、いま麻酔を打ったな」
「ああ、いま切っているみたいだ」
「医者の声が聞こえるな」
といったような、記憶が残っている患者さんがいますが、麻酔医の腕によってはそんな記憶はまったく残りません。

そして麻酔医の最大の仕事は、全身麻酔をかけて手術を行った後の手術後の疼痛を取る麻酔を施すことです。わかりやすくいえば、手術をする直前に神経ブロックをして痛みを取る作業を施す、ということになります。

昔は手術後の痛みは当たり前とされて、患者さんは麻酔が覚めた後の地獄の痛みを覚悟していました。目が覚めたあとには一晩中激痛で眠れないだろう、と覚悟して手術を受けたものです。医者も痛み止めのための座薬を使ったり、痛み止めの注射を打つなどしていました。

しかし、腕のいい麻酔医は手術後の痛みをまったくなくしてしまい、安らかに手術後の夜を過ごせる技術を持っているのです。

また、全身麻酔がなかなか覚めないというのは、腕の悪い麻酔医になります。全身麻酔は手術直後に覚めるのが理想的です。手術後の痛みを取るためには硬膜外ブロックと同じように硬膜外腔にチューブを入れて、薬の量をコントロールしながら注入して神経ブロックをしておきます。

脊髄があり、その周りを囲んでいるのが硬膜です。そして脊髄の中には髄液が流れ、硬膜の外医あるスペースを硬膜外腔といいます。この部分に薬を注入してブロックするのが硬膜外ブロックです。濃度を濃くすると硬膜外麻酔となりますが、濃度が薄くなれば硬膜外ブロックとなります。

硬膜外ブロックでは手術はできません。なぜならば硬膜外ブロックでは知覚神経、運動神経、感覚神経が生きています。麻酔とは知覚神経をなくし、運動神経、感覚神経をすべて麻痺させることです。

ですから濃い薬を使用して、感覚が麻痺しているということは麻酔の領域に入っています。時間が経てば麻酔は切れてもとの状態に戻ります。しかし硬膜外ブロックは長時間にわたり痛みを取ります。

薄い薬のなかでも1%~0.1%までいろいろな種類があります。濃い薬を使うと麻酔がかかった状態になり、下半身すべてが麻痺してしまいます。

硬膜外麻酔、もしくは脊髄麻酔をしますと血圧が下がりますが、これは麻酔が効いている証拠になります。しかし血圧が下がり続けた場合には、患者の目が覚めずに、最悪の場合には死亡することもあります。

神経ブロックを行ったときには血圧が下がります。最高血圧120の人が100に下がったときは、交感神経がブロックされていることを意味します。痛みがブロックされている証拠です。

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