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痛みを斬る

症例13大林典子さん(38)=外科医師の妻(仮名)

あまりの痛さに涙!
2000年8月、私の友人の外科医師の奥さんの大林典子さんも帯状疱疹にかかり、右の上腕から右肩、右胸にかけて症状が出ました。最初は蚊に刺されたくらいの感覚だったので、私に相談はありませんでした。虫刺されは必ず刺した跡があり、丸くはれるのですが、ヘルペスは、地図のようなアメーバ状の水泡になってはれます。患部が帯状に広がっていくのです。ポツポツとはれた程度だったので気にしなかったようです。しかし2、3日するとその湿疹が広がりはじめ、異常を感じた典子さんは
「おかしい・・どうなっているのかしら?」
と私に訊いててきました。典子さんの症状は日増しに悪化して、3日目には肩から胸にかけて右上半身全体に拡大していました。

夏の暑い日が続く中で半袖の服は着られない、下着つけられない・・・。赤くただれた湿疹とそれに伴う激痛に耐えかねて、典子さんは涙を流して泣いていたようです。急激に広がった湿疹の悲惨な状況を診て、医師友人さえも正直、怯えたほどです。典子さんは一晩中「痛い・・痛い・・」と苦しんだのでした。

その悲惨な状態を見て、なぜ痛みをとる神経ブロックを即座にしなかったのか、と思われるかもしれませんが、痛みが激しく出るヘルペスなのか、それとも軽い痛みのヘルペスなのかと、様子を診ていたのです。症状によって、治療方法が変わってくるからです。

3日目から抗ウイルス剤を5日間点滴、軟膏を塗っているうちに、さらに湿疹は広がり始め、激痛が始まりました。この抗ウイルス剤の治療が終わってから、病気発生から8日後に初めて神経ブロックの治療に入りました。もし発見がもっと早ければここまでの激痛にはならなかったでしょう。

痛みが出なければ皮膚科でも治りますが、痛みが出れば皮膚科では、手に負えません。皮膚科では痛みがおさまらないのをわかっていますので、ステロイド出すだけなのです。しかし、ステロイドを飲んでも、効果は一過性ですから、痛みが取れません。ヘルペスについてよく理解している皮膚科の先生は、ここでペインクリニックを紹介したりします。

病気の当初は、痛み止めを飲ませてもまったく効きません。典子さんは、あまりの痛さに追い詰められて、
「この湿疹の跡は残るのでしょう?こんなに痛むのなら生きていられない。ビルから飛び降りで死にたい・・・。先生は他の患者は治せても、私は直せないの!」
と、泣き崩れて自暴自棄になっていたのをよく覚えています。私は、
「必ずきれいに治してやるから・・・」
と励ますしかありませんでした。

治療は、5日間の点滴を行い、並行して星状神経節ブロック行いました。湿疹は1ヶ月半できれいに治りました。2ヶ月後には痛みも完全にとれて、今では何事もなかったかのように過ごしています。

帯状疱疹にかかった女性はたとえ夫が医者であっても、これほどまでに追い詰められてしまうのです。いまでも典子さんは、
「あんなにつらい経験はない。主人には私の痛みや苦しみが分からなかったんでしょうねえ」
と、振り返って、話すことがあります。

医師の奥さんさえ、これほどの状況になるのですから、普通のご家庭で帯状疱疹の患者さんを抱えたときには、どれほどの苦しみになるのだろうと、私は考えて、改めて帯状疱疹の恐ろしさを思い知りました。

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